今回でVOL5 を迎えて食生活デザインコースの在学生などでも興味の多いジャンルのひとつ『店舗経営』や『マーケティング』について話していきたいと思います!
※ちなみに食生活デザインコース在学生のアンケート上位は商品開発や商品企画、カフェや飲食店の経営やマネジメント、3Dフードプリンターなどのフードテックです。
私的な事で恐縮ですが、最近私はスペシャリティーコーヒーのおしゃれカフェを探して結構遠方などにも出かけることが多いです。
その時にいつも思うのです、コーヒーと言えど全然違うな。カフェと言っても色々な経営方法があるなって。
同じ『コーヒー』でも飲むお店で全然味や感じ方が違うのがコーヒーなのです!
質問*その違いは何だと思いますか? 皆さんも考えてみてください!
正解は以下の様に色々あるとおもいますし、これが正解ともいえません!
豆の品種、豆の焙煎の仕方、豆のひき方、お湯の入れ方や水の種類、コーヒーフィルターの違い、入れ時間や蒸らし時間、入れる人や入れる器、飲む場所やお店の雰囲気、一緒に食べるスイーツや食べ物、食前か食後か、朝昼晩どのタイミングで飲むか、誰と飲むか、値段はいくらなのか?←高いと美味しいのではないか?安いと美味しくないのではないか?などもありますよね!
など、他にも様々な要素があります!
これらはコーヒーに限った例ですが、フードの世界になると更に多岐にわたります!
例えば切る包丁や食材の旬な時期、食材の産地や調理温度、調味料や店員の態度、盛り付ける器や和洋折衷での創作料理、食べる人やその人の文化的背景、など、無限の広がりを見せます!
では、全てにおいて最高級の物を揃える事が最高のお店か?、また経営的な面で最高か?というと、一概にそうとは言えないのが食ビジネスなのです。
例えば、高すぎたら通える人は限られますし、ハラール対応を求めている人に出してはいけない食材があるなど文化的な違いがあったり、本当は時間がないので短時間で食べられる軽食でいいのに時間が掛かったり、、、、。などなど。
よくTPO(Time時間・place場所・occation場面)とかいいますが、人のニーズにマッチングしないものは無いに等しい事になってしまうのです。
そこでそんな店舗経営やマネジメントを目指す人のに役に立つために生まれたのが『フードマネジメント論』、『食料経済学』、『食空間デザイン』などの授業です!
上記の3つのカリキュラムは実は全部が絡みあっているのです!
少し長くなりますが、店舗経営に必要な知識や物を羅列していきます!
コンセプト(ターゲットや立地、料理メニューや看板商品など)
店舗(コンセプトに沿った店舗の内装やデザイン)
機材・備品(各種調理器具、食器類やカトラリー類)
人員(料理人、ホール担当、アルバイトなど)
食材(仕入れ先、ストック品、都度発注品)
スキル(経営スキル、調理スキル、コミュニケーションスキル、各種資格や免許など)
人的スキル(健康、忍耐力、問題解決力、人徳など)
資金(上記に掛かるイニシャルコストや運転資金、予備資金)
これらの上記内容は『フードマネジメント論』、『食料経済学』、『食空間デザイン』で大部分がカバーできるので、店舗経営や食のマネジメントを目指す方にはこれらをセットで学べる食生活デザインコースがおすすめです!
ちなみにこの画像は食空間デザインの授業で生徒が制作した店舗コンセプト設計です。
【マーケティングについて】
皆さんはコンビニや某チェーンファストフード店、スーパーマーケット、ドラッグストアがその場所にあるのか?を考えた事はありますか?
しいては、なぜ駅ビルが創られたのかや、あのマンションがあの大きさでその場所にある理由などにも繋がります。
その答えはマーケティングデータに基づいてその場所にあるのです。
身近にある店舗という店舗はやみくもにそこに出店したわけではないのです。
例えば、このエリアには半径500メートルの中に何人が住んでいて、ファミリー層が多いからファミリー向けのレストランやアミューズメントがあると商売がうまくいきそうだな!
とか、時間に追われている通学客・通勤客が多いから駅前にファストフードを出店しようとか、軽食やガム・ドリンクの品揃えを強化しようなど、需要と供給のニーズに合わせて出店するのです。
ですので、コンビニが隣り合うなんてことがないのが実情です。
ただ、通りの向かい側とか、隣の区画でコンビニが隣り合っているのはよく見かけますよね。
これには更に深いマーケティングがあるのです。
実はコンビニのマーケティングはもの凄く緻密で、通り一本で人の動線が違うのでかちあわないとか、区画ごとで住んでいる人の趣向の違いに特色があり、コンビニA社とB社は近くにあってもかち合わないとか、もしかちあってもお互いが満足できる採算を捻出できる算段ができるなどから店舗出店に踏み切っているのです。
むしろコンビニの店舗出店マーケティング力を頼って、別業態の別会社が、Aコンビニが主店するエリアは間違えがないとか、Bカフェが出店する区画は安泰なので出店を考えようなどと、自社でのマーケティング費用を捻出せずに、マーケティング力のある企業の出店エリアに安易に追随する企業もあるとかないとか言われています!
更に深いマーケティングのお話をしますが、ABテストと呼ばれる『テストマーケティング』のワードをビジネスではよく出ます。
ある大手企業は、あるエリアでAパターンの商品とBパターンの商品を同時発売してその売り上げの良い方を全国販売する事がそれにあたります。
テストマーケティングを行うのに適している日本国内の地域は、広島、静岡、福岡などがよくあがります。(更に仙台・新潟・岡山なども含まれることもあり)
理由としては、新しいものに対して反応する層が多く、規模が大きすぎず、小さすぎず、他の地域への波及効果も望める、そんな地域が適している為、選定されていると言われています
これらの他に、SWOT分析、4C分析、4P分析、ペルソナの設定、製品差別化・市場細分化、プロダクト ライフサイクル、AIDCA、USP、ブランドポートフォリオ、顧客満足度、O2Oマーケティングなど色々なマーケティング理論や手法に添って、世界は動いているんです!
ですので、店舗経営をするにあたり一番大切な事は、これらのマーケティングデータも駆使して、コンセプト(ターゲットや立地、料理メニューや看板商品など)を制作し、誰にどんなバリューやベネフィットを届けるかを決定する事とも言えます
オンリーワンやナンバーワンのコンセプトを定める為に必要な素地の一部が食生活デザインコースで学べるエシカルフードや食文化や3DプリンターやIH調理器具などの最新テクノロジーだと言えます!
そういった意味でも店舗開発や店舗企画、商品開発や商品企画は同じような専門性を必要としますし、
食生活デザインコースのカリキュラムはそんな世界を志向する人に向いているので、私自身でさえも学びたいって本気で思ってしまいます!
とりあえず、今日はここまでです!
次回は『オーガニック』の事などをお話ししたいと思います!